助動詞の乱舞

哲学と文学の読書

河合隼雄 「ユング心理学と仏教」(1995年)

僕が初めて心理学のことを知ろうと思ったとき、読んだのは河合隼雄の「ユング心理学入門」だった。確か15歳か16歳のときだったと思う。 わかったような、わからなかったような感じで読み終えたことは覚えている。 人間には無意識があると言われればそれはそ…

深沢七郎 「楢山節考」(1956年)

世の中には、これは高貴なテーマを扱った作品なんだ、ということを前面に押し出して書かれた小説がある。 それが悪いと言いたい訳ではないのである。そういう小説で素晴らしいものは幾らでもあるから、それはそれで良い。だが、楢山節考はそんなものとは一見…

アルベール・カミュ 「異邦人」(1942年)

カミュの作品はけっこう泣かせるというか、感動させるものが多い。ペストがそうだし、ヨナ あるいは制作する芸術家なんかもそうだ。カリギュラ、正義の人びとといった作品の同情し難い登場人物たちですら、悲哀と共感を感じさせられる。このカミュの文学の力…

アルベール・カミュ 「シーシュポスの神話」(1942年)

僕が十代後半の頃、読書仲間とでもいうべき友達がいた。 彼は泉鏡花や、米文学や、ラッセルや、その他雑多な本を色々読んでいた。その頃僕が夢中だったのは、ニーチェやドストエフスキーやキルケゴール、あるいは三島由紀夫だったり芥川龍之介だったりした訳…

サマセット・モーム 「月と六ペンス」(1919年)

物語の語り手は、作家の「私」だ。「私」が画家のストリックランドの物語を語る構造になっている。 ストリックランドは証券会社に務めるしがない中年男性だった。そのストリックランドが家庭を捨てて出奔する。誰もが浮気して駆け落ちしたのだろうと思い、ス…

ブログ開設にあたって

僕がこの22年弱の人生で読んだ本当は、恐らくは1000冊以上、2000冊以下程度である。多いと言えば多いし、同じ歳でもっと読んだという人も幾らでもいると思う。とにかく、それなりに本を読んできた。 その結果は、自分の中で役に立っていると言えば役に立って…